イボの治療薬として日本一有名なのはおそらくイボコロリではないでしょうか。
しかしイボコロリはどんなイボにでも使える万能薬というわけではありません。
ここでは、イボコロリの正しい使い方や注意点などについて詳しく解説していきます。
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イボコロリとは?
イボコロリは、明治33年創業の老舗製薬会社「横山製薬」が製造しているイボ治療専用の薬品です。
主にウイルス性のイボを除去するために使われる薬品で、日本で市販されているイボ治療薬のなかでも最も有名な製品だといっても過言ではないでしょう。
イボコロリにはいくつかのタイプがありますが、最も主流なのがイボに直接塗って治療する液体タイプです。液体タイプのイボコロリには「サリチル酸」という強力な成分が配合されており、この成分がイボの除去に高い効果を発揮します。
サリチル酸の働きと危険性
サリチル酸を塗布された部分の皮膚は柔らかくなり、新しい皮膚を再生するために細胞分裂のサイクルを活発化させます。その結果として、新しく作られた皮膚が内部からイボを押し上げ、最後にはポロっとイボが落ちてしまうというわけです。
ドラッグストアや薬局でも手軽に手に入る上、塗るだけで高いイボ改善効果を得られるイボコロリですが、使い方を誤ると色素沈着を起こすなど逆効果になってしまうケースもあるため注意が必要です。
イボコロリが使えない部分や、そもそもイボコロリでは治療できないタイプのイボなどもあるため、実際に使用する前にイボコロリの正しい使い方を学んでおきましょう。
イボコロリには大きく分けて3つの種類がある!
まずはイボコロリの種類について学んでいきましょう。
イボコロリには大きく分けて2つのタイプがあり、症状によって使い分ける必要があります。
皮膚が厚く硬くなってしまったタコや魚の目に使うもの2種
イボコロリのなかで最もメジャーなのが「液体タイプ」です。
液体の薬剤を直接イボに塗ることで、サリチル酸を患部に浸透させてイボを柔らかくしていきます。
液体タイプと同じような働きをするのが「絆創膏タイプ」のイボコロリ。
主な成分は液体タイプと同じサリチル酸ですが、薬剤が絆創膏の中央に塗られており、適切な位置に薬剤を固定することで長時間つづけて効果を発揮してくれます。液体タイプに比べて、汗や雨水などで有効成分が流れ出さないのが絆創膏タイプのメリットです。
液体タイプ・絆創膏タイプのイボコロリは、皮膚が厚く硬くなってしまった部分に使います。
イボを除去するためのサリチル酸はかなり強力な薬剤なので、皮膚が薄い部分に塗ると刺激が強すぎて逆効果になります。
皮膚が柔らかい顔や首には内服錠のイボコロリを!
イボコロリというと塗るイメージが強いかと思いますが、実は内服錠タイプのイボコロリもあるんです。それが、液体タイプと同じく横山製薬に製造されているイボコロリ内服です。
同じイボコロリの名前を冠してはいますが、イボコロリ内服錠は液体タイプ・絆創膏タイプのイボコロリとは全く異なる薬です。用途も違えば、成分や使い方に至るまで全く別物の薬であると考えてください。
イボコロリ内服錠の主な成分は、老人性イボなどの治療に効果があるとされるヨクイニンエキスです。ヨクイニンエキスが配合された錠剤を飲むことで、ターンオーバーを促進して体の内側からイボを治そうというのがイボコロリ内服錠の狙いです。
塗るタイプのイボコロリほどの即効性はありませんが、顔や首などの皮膚が薄い部分にできたイボの治療にも安心して使えるというメリットがあります。
イボコロリは症状や部分によって使い分けよう!
前述の通り、イボコロリには大きく分けて「液体・絆創膏タイプ」と「内服錠タイプ」があります。
それぞれ使える症状も使える部分も違いますので、自分のイボがどんな症状なのかを確認してから最適なタイプを選ぶようにしましょう。
液体タイプ・絆創膏タイプ
液体タイプと絆創膏タイプのイボコロリが使えるのは、主にウイルスや細菌が原因となって発症するイボです。
傷口からウイルスが侵入することで発症する尋常性疣贅や、ウイルス感染によって青年期に発症しやすい青年性扁平イボなどの症状に適しています。
魚の目やタコといった放っておいても自然治癒しづらい症状にも使えるのが大きなメリットです。
注意したいのは、一般的に首イボなどと呼ばれる老人性イボには液体タイプ及び絆創膏タイプのイボコロリは使えないということです。
製造元である横山製薬は他にも、「水イボ」や「尖圭コンジローム(肛門周辺や外陰部のやわらかい部分)」・「一列に並んだイボ、群生したイボ、体に多発したイボ」に液体・絆創膏タイプのイボコロリを使わないようにと注意を呼びかけています。
これらのイボは皮膚が薄い部分にできることが多く、イボコロリの主成分であるサリチル酸の刺激に耐えられないかもしれないからです。
液体タイプと絆創膏タイプのイボコロリは、基本的に「皮膚が厚い部分」にしか使えません。
手足や指先などのイボ以外には絶対に使わないようにしましょう。
内服錠タイプ
内服錠タイプのイボコロリが使えるのは、主に老人性イボや肌荒れが発生した場合です。老人性イボはウイルスや細菌の侵入に関係なく、肌のターンオーバーの乱れによって生じるイボです。
そのため老人性イボはターンオーバーのサイクルさえ正常化すれば勝手に治ることが多く、有効成分を含んだ内服錠を飲むだけでも回復が見込めるのです。
内服錠タイプのイボコロリにはヨクイニンエキスなどの有効成分が含まれているため、顔や首にできたイボの改善に効果を発揮します。
ウイルス性のイボにはほとんど効果がありませんが、その代わり顔や首などの皮膚が薄い部分にできた老人性イボの治療には大きなデメリットもなく安心して使えます。
顔や首イボを取りたいならイボ対策化粧品がおすすめ!
顔や首にできたイボを治すためには、イボコロリよりも「イボ対策化粧品」を使うのがオススメです。
イボ対策化粧品は、主に老人性イボを改善することに特化したイボケア専用の化粧品です。
多くのイボ対策化粧品には、ヨクイニンエキスなどの有効成分が配合されています。ヨクイニンエキスは昔から老人性イボの治療効果が高いとして漢方の世界でも珍重されてきた成分です。
内服錠タイプのイボコロリにもヨクイニンエキスが含まれていますが、イボ対策化粧品との大きな違いは「イボへのアプローチの仕方」です。
ヨクイニンエキスを飲むことで体内から作用する内服錠のイボコロリに対し、イボ対策化粧品はヨクイニンエキス等の有効成分を肌に直接ぬる方法で効果を発揮します。
イボ対策化粧品は肌に優しい成分で作られているので、顔や首などの皮膚が薄い部分にも安心して使うことができるのが大きなメリットです。また、イボ対策化粧品にはヨクイニンエキスの他にも様々な有効成分・美容成分が合わせて配合されているのが一般的です。
ヨクイニンエキスと並ぶイボケア成分「あんずエキス」や、肌のターンオーバーを促進する「プラセンタエキス」など、複数の成分の効果を併せ持つイボ対策化粧品は女性を中心に絶大な支持を得ています。
イボ対策化粧品にも多くの種類があるため、どの商品が一番自分の肌に合うのか実際に試してみるのがオススメです。数が多すぎてどれを選べばよいのかわからないという方は、顔や首に効果のある化粧品ランキングをご覧下さい。
こちらのページでは、市販されているイボ対策化粧品のなかでも特に口コミ評価の高い製品だけそ厳選して比較紹介しています。
イボと魚の目・タコの見分け方は?
液体・絆創膏タイプのイボコロリであれば、魚の目やタコなどの症状にも効果を発揮してくれます。
ただし魚の目やタコは、液体・絆創膏タイプのイボコロリが使えない老人性イボと間違えられてしまうこともあるので注意が必要です。
念のため、こちらではイボ・魚の目・タコを見分けるための方法をご説明しておきましょう。
イボ
イボには様々な種類がありますが、イボコロリを使用する上で特に注意したいのが「老人性イボ」の存在です。老人性イボには液体・絆創膏タイプのイボコロリが使用できないため、魚の目と間違えて薬剤を塗ると色素沈着などを起こすケースが報告されています。
老人性イボは、一般的に「首イボ」と呼ばれるほど首まわりや顔にできることが多い症状です。デキモノの位置が首から上なら老人性イボの確率がかなり高くなるため、液体・絆創膏タイプのイボコロリの使用は控えてください。
大きさは1~2mmのものから、2cm近くなるものまで様々です。色も皮膚とほぼ同じ場合から、淡褐色、灰褐色のものまで幅広いため、見た目だけで判断するのは難しいかもしれません。
わかりやすい目安として、老人性イボは押しても「痛みを全く感じない」ため、痛みも痒みもなければ老人性イボの可能性があるとみてよいでしょう。
魚の目
魚の目は、長期間つづけて皮膚の同じ部分に圧迫や摩擦を加えることでできる症状です。
サイズの合わない靴を履き続けたりすることで、魚の目ができる可能性は飛躍的に高まるため、主に足の甲や足の裏にできやすい症状だといわれています。
魚の目は皮膚の角質層が厚く硬くなっている状態なので、ちょうど中央に硬い芯ができているのが視認できます。
「魚の目」という呼び名は、まさにこの状態が魚の目のように見えることからついた名前です。
魚の目の芯部分は神経のある層まで届くため、軽く押すだけでも痛みを感じることがあります。
円形の中心部分に芯が見え、さらに痛みを感じるようなら高い確率で魚の目の症状ですので、液体タイプや絆創膏タイプのイボコロリを使っても問題ありません。
タコ
タコは、医学的にみると魚の目とよく似た症状です。発症する原因は魚の目とほぼ同じで、長期間つづけて皮膚の同じ部分に圧迫や摩擦を加えるとできてしまいます。
魚の目とタコの最大の違いは「芯があるかどうか」です。タコの中心部には魚の目のような芯がなく、厚みを持った皮膚が外側に向かって広がるという特徴があります。そのため大きいものになると3~4cmを超えるということも珍しくありません。
また、魚の目に比べれば鈍いものの、タコも指で押すと痛みを感じます。皮膚が大きく盛り上がって硬くなり、やや痛みを感じるような症状のものはタコであると判断できます。
イボコロリがホクロに効果があるって本当?
世の中にはイボコロリをイボ以外の治療に活用しようとする方がいらっしゃるようです。
しかし当然のことながら、イボコロリはイボを取るための薬剤なので、それ以外の症状に気軽に使っても良いものではありません。
イボコロリで取ることができるのはウイルス性のイボ、それに魚の目とタコだけです。
イボ以外の用途として、なんとイボコロリでホクロを取ろうと試みる方がいます。
これはイボコロリの製造元である横山製薬も想定していない間違った使い方で、大変リスクの高い危険な方法です。
どうしてイボコロリでホクロが取れるなんて噂が広まったのかは定かではありませんが、twitterやInstagramなどで「イボコロリでホクロが取れたww」というような発言が散見されることから、もともとはジョークで言っていた発言を間に受けた方がいたのだと考えられます。
実際に試して少しだけ効果があったという意見もありますが、そのほとんどは「色が薄くなった」程度のもので、ホクロが完全に取れたというケースに信憑性はありません。
ころりって聞くと私の『イボコロリでホクロが消えると聞き信じて実践したはいいもののそれ以来ホクロが逆に大きくなっている気がする』ってのを思い出しますね!!
— 酸素♛浮上率やや低め♛ (@na_a_no) 2017年5月4日
イボコロリでホクロの色が薄くなったのだとすればそれは単に皮膚が柔らかくなって変色しただけですし、取れたとしたらそれはホクロではなく黒っぽいイボだった可能性が高いです。
いずれにせよ、イボコロリをホクロに塗るのはデメリットが多い方法なので真似しないでください。色素沈着程度で済めば良いですが、場合によってはホクロが炎症を起こして痛みを感じる可能性もあります。
一応、こちらでは実際にホクロにイボコロリを塗ってみたという方の口コミをいくつか集めておきました。どれも高い効果が得られたという意見はありませんでしたが、参考までにご覧ください。
イボコロリをホクロに塗った方の口コミ
- イボコロリをホクロに塗ったら取れるかなと思ってやってみたけど、特に変化なかった。
- 絆創膏タイプのイボコロリをホクロに貼ったら一瞬色が薄くなった感じしたけど、すぐもとに戻ったから意味ない。
- イボコロリをほくろに塗ったら治るって聞いたからやってみたけどシミになっただけだった。
イボコロリは用法・用量を守って正しく使いましょう
ここまでの話をまとめると、「イボコロリはウイルス性のイボには効果的だけど、万能じゃないから使い方には気を付けよう」ということですね。
なんとなくデキモノには何でも使えるイメージのあったイボコロリですが、効果を発揮するのはウイルス性のイボと魚の目、タコくらいです。それ以外の症状に使うと逆効果なので、イボコロリは用法・用量を守って正しく使ってください。
女性にとって大きな悩みとなる顔イボ・首イボ(老人性イボ)には塗るタイプのイボコロリが使えません。顔や首にできた老人性イボを治したいなら、イボコロリではなくイボ対策専用の化粧品を使うようにしてくださいね。